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空の鏡

空の鏡
「空の鏡」
1997/06/28 リリース
\ 3,059 (税込)
BMGファンハウス
  1. Introduction~ガールフレンド
  2. Hello goodbye
  3. I STAND ALONE
  4. lovesick
  5. 空の鏡
  6. After the rain
  7. ずっと・・・いようよ
  8. a piano piece of Carol
  9. 東京バード
  10. からいかれ
  11. 明日、春が来たら
  12. WIND SONG~Album version
  13. Girl friend~Angels of our time

リリースエピソード

松さんのファーストアルバム! デビュー曲「明日、春が来たら」をはじめ、バラードやアップダウンリズム、コミカル風サウンドなど、盛りだくさんな内容になっています。クオリティーは、かなり高いと言えるでしょう。3rdシングル「WIND SONG」と1週間しかリリース日が違わないことから、セットで発売される予定だったのかもしれません。

永山耕三総合プロデューサーのもと、日向大介さんが全ての作品を作曲・アレンジされています。レコーディングは、アメリカのロス郊外のサンタモニカにある日向さんのスタジオで10日間行われてました。当初はこの3人で全編を構成する予定でしたが、リリース予定の次期がずれたためか、前田たかひろさんを迎え、新たに追加された曲もいくつかあったそうです。また、最初にイントロを流してリスナーを惹かせて、最後に同じ曲で締めるといったオフコース的スタンスな演出や、ストーリー性の強調スタイルも、この時点で既に始まっていました。

作品名の「空の鏡」とは、どんな状況の自分でもそのまま映してくれる「心の鏡」を意味しています。また松さんの、女優としての役が変わるたびに人が変わるということで、「カラの鏡」という、意味深なニュアンスも含まれたダブルネーミングだったりもします。また、松さんにとって生まれて初めてレコーディングとなった「Hello goobye」。松さんをイメージして、日向さんが一番最初に浮かんだ曲らしく、松さんもとても愛着があるんだそうです。逆に「からいかれ」は、最後にできた曲。テーマはカレー料理ですが、イメージ感覚は「ジャンクフード」(笑)。そのほかのシチュエーションは、全て後付けされたもの(笑)。イントロの「a piano piece for Carol」は、バラードとして書いたものを、松さんの希望でピアノ曲にアレンジ。伴奏は、松さんがその場で弾いています。わずか10テイクほどで完成させるその感性は、素晴らしいですね。ちなみにタイトルの「Carol」は、キャロルキングのことです。

繊細な乙女心を優しく包んでくれるその歌声に魅了された人は、数知れず。心の隅から隅まで染み渡っていくような、そんな優しさ溢れる曲ばかり。慣れないレコーディングで「歌い手」に撤する松さん、その一生懸命さと初々しさ、可愛らしさが非常によく伝わってきます。

余談ですが、この作品は、岩井俊二監督が手がけたPV「filM 空の鏡」との関連性がとても深いので、そちらも見逃せないポイントですよ。

ミュージックレビュー

Introduction~ガールフレンド
作曲・編曲:日向大介

静かに鳴り始めるストリングスに松さんの声を乗せただけの、非常にシンプルなオープニング曲です。わざとボイスを曇らせて、作品の始まり的な雰囲気を強調させている部分がポイント。スピーカーの異常ではないので安心してください(笑)。「ラララ・・・」と遠くから聴こえてくる穏やかな雰囲気は、作品全体のトーンにもなっています。

 

Hello goodbye
作詞:坂元裕二 作曲・編曲:日向大介

Music

序曲の雰囲気をそのまま引き継ぎフェードイン。ソフトタッチで軽やかなスタンドと、サラウンドを効かせたストリングスが綺麗で、控えめなバックに広大感を抱かせられます。そこへ流れ込む松さんの声が、ストレートに心地いい。フレーズの一つ一つに、感情が詰まっているところも聞き逃せません。ちょっと強張ってる部分はご愛嬌(笑)。不協和音が一切なく、スイスイ流れるような展開がGoodです。

Word

今はもう離れてしまった愛する人へ向けた想いを、どこも曲げることなく、素直に自分の感情に表している詩。言葉の一つ一つに深い愛情がこもっていて、ピュアな言葉で素直に描写しています。思い出の中の情景や回想と、今の心境を見事に重ね合わせている点も見逃せません。最後の「さよなら・・・愛してる」は、何だかものすごく切ない気持ちにさせられますよ。

 

I STAND ALONE
作詞:松たか子 作曲・編曲:日向大介

2ndシングル曲。詳細レビューは「I STAND ALONE」をご覧ください。

 

lovesick
作詞:前田たかひろ 作曲:日向大介・BUD RIZZO 編曲:日向大介

2ndシングルカップリング曲。アルバムには、BUD RIZZOのクレジット名が入りました。詳細レビューは「lovesick」をご覧ください。

 

空の鏡
作詞:坂元裕二 作曲・編曲:日向大介

Music

優しいピアノの音が印象的。曇りのない色を見つめるような気持ちで、スーッと曲が頭に染み付く音色が素晴らしい。ささやくような松さんの声も癒されます。全体的に静かな雰囲気ですが、非常に優れた曲構成になっているのがポイント。特に、2Bサビ後のコーラスが強烈に心に響き渡ります。ワンクッションを置いた部分は、日向さんの一番のアピール

Word

忘れられない人と自分との記憶を思い出し、現実にはもう戻ることは出来ない寂しさを間接的に描いた詩。「たとえば・・・」のあとに当たり前の例えを持ってきて、気持ちの流れを掴む坂元節は素晴らしい。また、「言えなかった一言言ってしまった一言」と、告白を意味しているこのフレーズは、ただただ胸がキューンとなってしまいます。

 

After the rain
作詞:坂本裕二 作曲・編曲:日向大介

Music

何ともソフトな雰囲気のイントロ。「一息ついてください」と言わんばかりの、のんびりした曲です。一本調子のシンコペーション進んでいく展開は単調で、進むにつれてさまざまな音色が付け加えられていくのが面白い。松さんの歌声も、作品中では一番ラフでしょう。素の状態で歌っているのが、よく分かります。できれば、もう少し盛り上げてほしかった・・・(汗)。

Word

あるカップルの日常的な1コマを切り取った詩です。「ひゅるる ひゅるる」「ざざざざざざ」と、擬音語をまんま歌っているのが微笑ましい(笑)。恋人に対するちょっとした不安を、「傘」という言葉で間接的に表現しています。恋人が来る前と来た後の気持ちの流れを、「雨→晴れ」とお天気で表現している点が、とても可愛らしいですね。

 

ずっと・・・いようよ
作詞:松たか子 作曲・編曲:日向大介

1stシングルカップリング曲。詳細レビューは「ずっと・・・いようよ」をご覧ください。

 

a piano piece for Carol
作曲・編曲:日向大介

松さんご本人がピアノを奏でるインスト。和音の美しさに魅せられる、隠れた名曲です。包み込んでくれるような、暖かいぬくもりが感じられ、傷ついた心をそっといたわってくれるような優しいメロディー・・・。松さんはやっぱり癒し系だと、改めて認識させられますね。終盤では、低音部のアルペジオが響き渡り、曲の終わりを豪華に締めくくられます。

 

東京バード
作詞:坂元裕二 作曲:日向大介

Music

ものすごくしっとりした雰囲気です。松さん特有の透明感のある歌声がじっくり堪能できる一曲。落ち着いたテンポと穏やかに入ってくるコーラスが、見事にマッチしています。短いけれど、エコーを効かせたサビが印象的。ストリングスが控えめですが、その分目立ってるパーカッションとバランスがとれていて、のどかさが引き立てられています。

Word

恋人と別れて、一人でいる時の1コマ。「花束の 香りが ゆれて」から、主人公の心情を軸にして展開していきます。花束や傘をキーワードに「擬人法」に近い表現をしているのがポイント。イメージは、サンタモニカにある観覧車からの景観。「かんらん車」をひらがなで書いているのを見ると、坂元さんの気の向くままに描いた作品にも見えますね(笑)。特にパンチの効いた言葉はないので、一貫性はかなり薄いかも・・・。

 

からいかれ
作詞:前田たかひろ 作曲:日向大介・BUO RIZZO 編曲:日向大介

Music

いきなりポコペンポコペンと鳴り響く音に驚かされ、突然松さんから文句を叩かれて始まるカレーの歌(笑)。作品を順番に聴いてきた人なら、必ず一度はブッ飛んだことでしょう(笑)。ラップ調で、全体的におちゃらけた仕上りになっています。またコーラスもフレーズ毎で別収録されていて、節ごとに声質が微妙に変化しているのが面白い。間奏部分では、レコーディングスタッフが騒ぎまくりで、非常に愉快な気分にさせてくれますよ。

Word

食べ物タイトル第1弾。彼氏にカレーを作ってあげる詩なんですが、しゃべり方、彼氏のカレーへのこだわりと鈍感さなど、内容はもうツッコミどころ満載です(笑)。彼氏が食べれないニンジンやタマネギを内緒で入れたのは、やっぱり仕返し? 散々愚痴たれてる女の子ですが、彼氏と二人で、嬉し涙とタマネギによる涙・・・幸せそうで、羨ましい限り。そしてこれを「からいかれ」=「カライ彼」と掛けたのはナイスです!

 

明日、春が来たら
作曲:坂本裕二 作詞:松たか子 編曲:日向大介

1stシングル曲。詳細レビューは「明日、春が来たら」をご覧ください。

 

WIND SONG~Album version
作詞:坂本裕二 作曲・編曲:日向大介

3rdシングル曲。シングルよりもストリングスをダイナミックに響かせているのがポイント。詳細レビューは「WIND SONG」をご覧ください。

 

Girl friend~Angels of our time
作詞:坂本裕二 作曲・編曲:日向大介

Music

一定のリズムで淡々と進んでいく感じの、シンプルな曲です。ソフトチックな楽器中心なので、ホッとさせられるますね。終盤に向かうにつれて、もうすぐ楽しい夢から覚めてしまうような寂しい気持ちにもなってしまいます。最後の変調部分が、特に顕著。「ラララ・・・」で少し切なくフェードアウトされると、何だか名残惜しさを感じてしまいますね。

Word

いつも一緒だった恋人にフラれてしまった女の子の、切なく寂しい気持ちを素直に描いた歌です。過去の思い出と重ねて描写させるのは坂元さんの得意スタイルですが、これもその一つ。過去の部分をモチーフに今を語る「対句表現」で表現されています。そのおかげで、最後の「約束もなく朝になれば 同じバス停で 会えたのに」ってフレーズにグッとさせられてしまうんですよね。

 

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