![]() 「いつか、桜の雨に・・・」 2000/03/23 リリース \ 3,059 (税込) ポリドール |
リリースエピソード
ポリドールへ移籍してから、初のアルバム作品となった3枚目。といっても、レコーディングメンバーのほとんどは、前作「アイノトビラ」の時と変わっていなかったので、そんなに緊張することもなかったそうです。ドラマ「お見合い結婚」の収録の真っ只中、松さんは「前よりいいものを作りたい」という想いで、なるべく自分でやっていこうと心がけて制作されました。全ての曲の作詞を担当し、作曲も8曲手掛けた意欲作となっています。前回以上に、自分の作品を自分で作る喜びを味わえたとのことです。ちなみに松さんの作曲方法は、自宅のキーボードで弾きながらというのがほとんど。
今回は、作品全体に春のキーワードに意識した曲が目立ちます。この頃は一般的に「松たか子=春」のイメージが定着していたこともあり、リスナーにストレートに受け入れらました。バランスの取れた選曲で、「悲しみの中の嬉しさや楽しさ」がとてもよく調和されたストーリーとなっているのも、見逃せません。やや和風ですが上品なメロディーの曲が多く、なじみやすいという点も特徴です。
タイトルの「いつか、桜の雨に・・・」は、このタイトルの後ろに言葉が続き、さまざまな想いが繋がるというニュアンスで付けられたもの。「桜の雨、いつか」のピアノインストは、いわば「春の足音」といったところでしょう。ちなみに弾いているのは、松さん本人です。99年の獅子座流星群をヒントに浮かんだという「The Shooting Star」。きっかけは、ユースケ・サンタマリアさんが、スピッツの「流れ星」を鼻歌で歌った時だそう。続くは、松さん自身のことをストレートに語っている「エール」。でも最初は恋愛的なものだったみたいです。「真夜中のギター」では、松さん、武部さん、鳥山さんの3人で"すだち"というグループを結成して収録したそうです。もちろん一発録り。そして、回想風に語られる「end roll」では、イントロ、間奏、エンディングのピアノを、松さんが担当されています。「夕焼けの歌」は、可愛いアニメと一緒に"みんなのうた"とかに出てきそうな曲。98年に、ピアノの練習曲をイメージして作られたんだとか。
この作品は、アルバムに沿った楽譜「ピアノ弾き語り 松たか子 いつか、桜の雨に・・・」が、リットーミュージック社より発売しています。ピアノで弾きたいという方は、こちらも注目ですよ。
ミュージックレビュー
松さんが奏でる、「桜の雨、いつか」のピアノソロ。優しく静かに、オープニングを飾っています。終わりのようで続きがありそうなラストが最も印象的。アルバム最後の「桜の雨、いつか」まで、全ての作品に繋がっている、未完成曲です。
The Shooting Star
作詞:松たか子 作曲:武部聡志 編曲:鳥山雄司
Music
カットギターのソフトチックな音で、優しく始まるイントロ。穏やかで綺麗な世界をイメージさせられます。サビに入ると一転、和やかな雰囲気を維持しつつリズミカルな曲に変化。さまざまな音が開放される、一番の盛り上がりどころです。ちょっと可愛らしく歌っている松さんに、何だか癒されてしまいますね。流れ星を表現したキーボード演出も、曲の明るい雰囲気によくマッチしています。
Word
はじめて見た流れ星から生まれた、希望と願いを綴ったもの。甘い雰囲気が流れていて、乙女チックな印象を受けます。曲の始まりの穏やかな寂しさが、流星を見つけた後の明るい感情を引き立てているのが印象的です。でも、願い事が間に合わずに、青空へと消えてしまった心境は、少し切ないですね。伝えたい人への強い想いと、自分の気持ちの素直さを読み取ると、つい幸せを願ってあげたくなります。
Music
コーラスハーモニーが絶妙なバラードソング。出だしのみ、歌声とピアノが別パートで編集されています。松さんの伸ばした声がとても安定していて、じっくり聴かせられるメロディーと一緒に、歌の魅力を引き出しています。地味目なサウンドですが、活力ある曲の雰囲気にとてもよく響いているんです。気になるのは、最後にフェードアウトするまでの時間が、やたらに長いことくらいでしょうか・・・。
Word
自分自身を見つめ、前向きに元気づけている詩。小さくて弱い存在と思うことがある節が、とても印象深いです。孤独でいるのは怖いから、見守っていてほしいと思う気持ち・・・自分に対する励ましの意味が込められていて、同調しやすいですね。どんなことがあっても、日々は繰り返すもの。だから前へ進むしかないという決意が伝わってきます。
9thシングルカップリング曲。詳細レビューは「夏の記憶」をご覧ください。
9thシングル曲。詳細レビューは「月のダンス」をご覧ください。
8thシングルカップリング曲。詳細レビューは「days」をご覧ください。
your birthday - Kame Kame everybody
作詞・作曲:松たか子 編曲:亀山誠治
10thシングルカップリング曲。近場のレコーディングスタッフ総勢によるコーラスが加わった、「Kame kame everybody」バージョンにパワーアップしています(笑)。詳細レビューは「your birthday」をご覧ください。
真夜中のギター
作詞・作曲:松たか子 編曲:武部聡志・鳥山雄司
Music
武部さん、鳥山さんのギターコンビの伴奏による、イントロ的な要素を含んだ短い曲。そっと奏でられるギターから、静かに始まる歌声が、安らぎの雰囲気を演出しています。盛り上がり場所は特にありませんが、癒されるメロディーを聴いていると、心が浄化されていく気分になれますよ。
Word
覚えたてのギターを夢中で弾く姿と、不器用な生き方の描写の重ねかたが素晴らしいです。「夜更けのギター」という表現が、ものすごくイメージを掻き立てられます。そのひたむきさ感じて、小さな幸せを感じ見守り続けている・・・松さんの優しい人柄が、とてもよく伝わってくる詩ですね。
Music
優しくてノスタルジア、リスナーを柔らかな音で包んでくれる癒しの曲。メロディーは地味で大きな変化はなく、至ってシンプル。だけどすごく暖かみを持っていて、心の底にジワジワと染み込んでいくサウンドは、回帰の涙を誘い感動させられます。ラストのフェードアウト時には、あまりの郷愁漂う雰囲気に、こみ上げてくるものが出てくるかもしれません・・・。
Word
二人の恋の思い出と、相手が去ってしまった寂しさを男性視点から綴った詩です。黙って去っていくという演出に涙。愛し愛された思い出の時間は、いくつ時を重ねても止まったままという表現に、心が震えてしまいます。最も印象的なのは、「僕らのページは二つになったそれだけのこと」というラストの締めくくり。まさに、表現で泣かせられてしまうフレーズです。自分を愛するために、思い出から卒業する・・・切ないですね。
Music
弦の音色に癒される、穏やかで平和な曲。落ち着いたテンポで、全体的にほんわかした雰囲気に包まれています。2サビ以降のダイナミックアレンジは、癒しの真骨頂でしょう! 子供の頃に聴いた歌謡曲を思い描かせられるような、懐かしい雰囲気を持ち合わせているのもポイント。誰かに語りかけるように、優しく透明な声を響かせる松さん、素敵ですよ。
Word
恋人と一緒にいる幸せと喜びを描いた詩。表現の一つ一つに、暖かいぬくもりがあるのが印象的です。夕日の中、二人で坂道を歩いている情景が、ありありと浮かんでくるよう・・・。「この目に焼きついた懐かしい景色」のフレーズからも、思いが込められているのが分かります。ずっとこの平和が続いていくように、願いたくなること間違いありません。
8thシングル曲。前曲の雰囲気を繋げるために、インストとラストが弦によるストリングスバージョンになっています。詳細レビューは「夢のしずく」をご覧ください。
10thシングル曲。詳細レビューは「桜の雨、いつか」をご覧ください。
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