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a piece of life

a piece of life
「a piece of life」
2000/06/13 リリース
\ 3,059 (税込)
ポリドール
  1. コイシイヒト
  2. 雨の色
  3. a bird
  4. another birthday
  5. 優しい風
  6. Sha la la
  7. PIANISSIMO
  8. ゆびさき
  9. a piece of life
  10. 沈丁花

リリースエピソード

アルバムもついに4枚目です。舞台「オケピ!」の公演時から制作をはじめ、完成したのはドラマ「HERO」の収録中。前作「いつか、桜の雨に・・・」では自分でほとんどの詩や曲を手がけ、まさに「松たか子ワールド」を確立さケた作品でした。今回はその土台を残して、さまざまなミュージシャンの方たちとコラボレートされています。シングルで携わった星勝さん、川村結花さんをはじめ、サントラで有名な日向敏文さん、UKポップシンガー明星さん、バイオリニストの金子飛鳥さんなど、大物作家揃い。今までのナチュラルな世界観はそのままに、初期の頃のイメージを漂わせ、より新鮮味が加わったエンターティナーな作品となりました。

ピアノで曲ベースを作ることにはこだわらず、多角的に表現する形で前作を超えることも、アルバム制作のコンセプトに含まれていたそうで、そういう意味では、少し変わった方向性の作品と言えるかもしれません。松さん曰く「隙間のある、肩の抜けた感じのアルバム」らしい。その分、今までにはなかったタイプの曲が生まれ、音楽的な幅の広がりを見せてくれました。

「a piece of life」を直訳は「日常の断片」です。日々のささやかなことを詩に書くことが多い松さん。その日常の中で生まれた感動や発見の"かけら"(piece)という意味で、そのかけらに対して感謝を込めてつけられています。その名のとおり、アルバムの中は日常的な曲ばかり。恋の終焉を描いた「雨の色」。活気があふれた「Sha la la」は、気分を爽快にさせてくれます。乙女チックな坂元節が展開する「PIANISSIMO」と「ゆびさき」。その相反した内容は印象深いです。そして、レコーディング寸前に詩を描き終えたという「a piece of life」。全ての楽器とともに生一発録りしたもので、とても臨場感あふれるトラックになりました。ラストの「沈丁花」はクールダウン的な存在。昔、松さんの近所に咲いていた沈丁花がモチーフにしたらしい。松さんの弾き語り曲となっています。

補足ですが、この作品の最後に「コイシイヒト」のオルゴールバージョンがシークレットトラックとして収録されています。聴き終わった後、リスナーを回帰させてくれる演出には、グッとさせられてしまいますね。

ミュージックレビュー

コイシイヒト
作詞:川村結花 作曲:松たか子・川村結花 編曲:深澤秀行

12thシングル曲。詳細レビューは「コイシイヒト」をご覧ください。

 

雨の色
作詞:坂元裕二 作曲・編曲:日向敏文

Music

しっとりと綺麗に奏でられる最初のピアノから、この曲の世界をイメージさせられます。美しい音に包まれた歌声は、自然と優しい気持ちになりますね。サビからは、それまでの静かな雰囲気から、華やかで煌くような装飾が施され、よりいっそう魅力的な深みが加わる・・・。特にコーラスは、素直に綺麗だと感じられますよ。また、全体的に切ないメロディーラインが敷かれていて、デリケートな印象も放っています。

Word

恋が終わったあとの、切なすぎる思いを描いています。感情表現を「雨の色」に置き換えていて、より切ない・・・。「さよならって言葉愛しているよって言葉」「さみしい雨と 優しい雨」と、対比を強調させた言葉が特徴的です。また、夢(恋)の中の全てが消えてしまう儚さが、リアルに演出されているので、思わず泣けてしまいそう・・・。ちなみに、松さんは「土砂降りの雨って結構好き」なんだとか(汗)。

 

a bird
作詞:坂本裕二 作曲:川村結花 編曲:星勝

11thシングルカップリング曲。詳細レビューは「a bird」をご覧ください。

 

another birthday
作詞:松たか子 作曲:来生たかお 編曲:星勝

12thシングルカップリング曲。詳細レビューは「another birthday」をご覧ください。

 

優しい風
作詞・作曲:松たか子 作曲・編曲:星勝

11thシングル曲。詳細レビューは「優しい風」をご覧ください。

 

Sha la la
作詞:松たか子 作曲:星勝 編曲:深澤秀行

Music

非常にリズミカルなフォークソング。明るく軽快なステップを刻むギターが印象的です。中盤から繰り返されるコーラスと、本来のボーカルラインが融合したサビは、とてもユニーク。また2メロの部分からは、2重に重ねられたような松さんの声。昔のサンプラーサウンド風を思い起こさせるような、面白いパターンでイコライジングされています。徐々に大きくなるエコーにハマる人はハマるかもしれませんね。

Word

ドライブをテーマにした、陽気な詩。お茶目っぷりを発揮した松さんの、可愛い歌です。恋人に誘われて、ウキウキ気分でデートの支度をする様子が微笑ましい。ドライブの途中、雨に降られてすっかりブルー入ったりと、分かりやすい性格してます(笑)。ハプニングで散々だったけど、次に期待して約束を願うフレーズは、聴いているほうも和やかな気分にさせてくれますね。

 

PIANISSIMO
作詞:坂本裕二 作曲:松たか子 編曲:明星

Music

長いトンネルの中で、カラカラカラ・・・と何かが転がるような音がする、不思議なイントロではじまります。おとなしくソフトチックなサウンドなのに、妙に軽やか。小さく弾む感じのリズムで進んでいくのが注目点です。松さんも、詞のフレーズごとに一呼吸置きながら歌っているのが特徴。ボーカルエフェクトはかけられていませんが、柔らかな声を十分に堪能できる1曲ですよ。

Word

いきなり告白から始まる歌詞に、驚かされます。でも、その気持ちはすぐに隠しちゃう・・・。好きでいてほしいと願っている想いは、一瞬でも信じてあげたくなる。「この髪ほどいた わたしに 気づいてほしい」は、坂元さんらしく可愛い表現です。印象的なのは「好きよと言えたら 雨はあがるのに」のフレーズ。正直だけど、空虚なイメージが拭えません。ラストの「消えてゆくよ」まで続いていくのが、寂しいですね。

 

ゆびさき
作詞:坂本裕二 作曲:松たか子 編曲:明星

Music

イントロにものすごく哀愁を感じます。全体的に淡々とした流れで進んでいく歌。ちょっと複雑な曲構成になっていて、リスナーは展開が読みづらいかも? バックにさまざまな「物音」を取り入れる明星さんのアレンジは、楽しみのポイントです。ただ曲調が何も変わらないため、ちょっと盛り上がりに欠けてしまうのが残念なところ。もう少しインパクトがあれば・・・。

Word

愛が深まる心境を、リアルに描いた詩。自分視点で見ていますが、表現方法はかなり客観的なのが特徴です。流れ星が流れる"夜"から、朝日が昇る"朝"までの流れがとても自然なのがすごいところ。テンションの浮き沈みがあまりなく、穏やかなフレーズが多い中、自分と恋人を表す「捨て猫のような二人」は、書き捨てた印象でかなり浮いています。

 

a piece of life
作詞・作曲:松たか子 編曲:金子飛鳥

Music

静かで情熱的、また穏やかで切ない。クラシカルなピアノと、哀愁漂うメロディーを奏でるバイオリン、そして透明な松さんの声・・・。どれをとっても、文句のつけようがないほど美しいです。前半は優しく歌っているのに対し、2コーラス以降はありったけの思いを詰め込むように、感情むき出しで歌っています。それを鮮やかに彩るバイオリンのカウンター(シークレット)とピアノが何とも絶妙! 元のテンションで締めくくられるラストも、耳に残ります。

Word

純真無垢なままに、ずっと相手のことを愛し続ける気持ちを綴った詩。どんなに相手を想っていても、伝わらないことがある。それでも必死に伝えようとするのが、とても情熱的です。何度も繰り返すフレーズには、気持ちの強さを強調する意思が感じられます。松さんの、日常からふと湧き上がる切なさや不安な気持ちが、とてもストレートに凝縮されていて、大切に描かれています。

 

沈丁花
作詞:松たか子 作曲:日向敏文 編曲:日向敏文・金子飛鳥

Music

可愛らしいメロディーで迎えてくれる、癒しのピアノ曲。松さんの声がとても暖かく感じられ、心穏やかに聴かせてくれます。曲そのものはシンプルですが、ホッとさせてくれる柔らかいピアノの音と、所々に音の幅を響かせる金子さんのストリングスは、とても安らかな気分にさせてくれますね。松さんって、本当にこういう曲がよく似合います。

Word

沈丁花をキーワードに、自分の昔と今をほのかに綴った詩です。普段の何てことのない日々の中にある幸せ、どんなに小さくても幸せな自分というような、短いフレーズの中に込められた想いは、どこまでもまっすぐです。子供の頃の無邪気な自分を思い出す描写は、しみじみとした切なさを感じます。日常的な言葉から詩の世界を作り出す方法は、やっぱり松さんならではですね。

 

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