![]() 「harvest songs」 2003/10/08 リリース \ 3,059 (税込) ユニバーサルJ |
リリースエピソード
前作から、わずか8ヶ月という短いインターバルでリリースされた、6thアルバムです。松さんが1年の内に、2枚のアルバムを出すのは初めてのこと。今作は、2ndコンサートを成功させるための、松さんの新しいチャレンジ精神と試みから生まれたものでした。収録されている曲は、全ト他のアーティストの手による楽曲で構成されていて、松さんは作詞、作曲には携わっていません。今までは、自分の想いを伝える手段として歌を歌ってきた松さんが、趣向を変えて歌い手に徹しています。きっかけは、2ヶ月前にリリースした16thシングル「ほんとの気持ち」で、コラボレートした小田和正さんから学んだ「歌詞の中の人物を演じる」という、今までとは逆の発想で歌うことで、シンガーとして新たな道を見出したんです。
中身も、今までとは一線を画すものに仕上がっています。キンモクセイの伊藤俊吾さん、同世代アーティストのAkeboshiさん、風待レコードのノラオンナさんや紫理恵さん、そのほかインディーズで活躍しているアーティストまで、様々な方から提供されてます。また、アレンジ&コーラスにデヴィット・キャンベルやレニー・カストロが参加も! 何人かの方たちが実際にスタジオに出向かれて、曲について様々なやり取りを交わされたことは、松さんにとってとても素晴らしい経験だったことでしょう。曲も、軽快なサウンドあり、ストリングスの温もりに包まれたバラードがあり、単体ピアノありと様々で、そのどれもが松さんの清涼感あるボーカルを強調させてくれるものばかりです。「harvest songs」=「実りの歌たち」、これを直訳どおりに受けとるもよし、松さんのベストソングとして捉えるのもいいですね。
ミュージックレビュー
26:00
作詞:ゆきち 作曲:片寄明人 編曲:佐橋佳幸・デヴィット・キャンベル
Music
力んで構えていた気持ちがストンっと沈んでしまうような、静かなギターイントロで出迎えてくれます。GREAT3の片寄さん提供曲。控えめなバックで、曲風から既に穏やかな空間を演出しているのがGood。緩やかなストリングスがかかっているせいか、松さんの歌い方がちょっと切なく感じます。でも、歌のイメージをしっかりと捉えた優しい声は、安らぎます。
Word
彼に会えなかった主人公の女の子の気持ちや葛藤、そして行動を想いのままにストレートに描いています。「泣いて 泣いて 泣いて」と連呼するのが、子供っぽい表現で可愛らしい。とても甘えんぼな性格なのが、よく分かります。ほのかに綴る願望、衝動的な感情の全てが、愛くるしくなってきますよ。「神様のうた」「折れやすい花」など、乙女チックな印象も強いです。
Music
キンモクセイのボーカル・伊藤俊吾さんが書いた、非常に完成度の高い楽曲。のどかで平和を感じさせるメロディーと、屈託のない松さんの透明な歌声は、ストレートに癒されます。不協和音がほとんどないので、とても馴染みやすい仕上りになっているのがポイント。伸ばした声を、次のフレーズまで綺麗に響かせる心地よさ、そしてゾクゾクとさせられるサビメロと、絶妙なコーラスの入れ方は聞き惚れてしまいますね。
Word
全ての情景を「黄昏に染める」という表現が、とても印象的。無に返すという感じで、少し神秘的な雰囲気もあります。詩の世界が進むにつれて、純粋な自分を心で感じることが出来ますよ。「悲しい鳥」「汚れた街」「私の心を我に返してしまう」など、爽やかさの中にある毒づいたフレーズが目立つところがポイント。何より、流れ打つその手段に「電車」を使うところが素晴らしいですね。
ほんとの気持ち(110-Remix)
作詞・作曲・編曲:小田和正
16thシングル曲。新たにギターイントロを加え、リミックス編集してあります。小田さんとのコーラスバランスも、再調節されました。詳細レビューは「ほんとの気持ち」をご覧ください。
Music
松本隆さんでお馴染み、風待レコードで活躍されているノラオンナさんのカバー曲。寝る前にポッと鳴らしてみたようなピアノの音から始まり、1フレーズごとに楽器のバリエーションが増えていったり、色々変化が加わったりと、ユニークな展開をしていく個性的な歌です。2拍子リズムに乗りながら、音程を上げ下げしながら歌う松さん(エコー付)が楽しそう。リスナーまで踊らされそうです(笑)。
Word
「夢」という言葉を架け橋にした短編恋愛物語です。歌詞を見て誰もが思うことは、その平仮名の多さでしょう。2つの異なった状況の感情で、漢字と使い分けているのが特徴。感じて受け止めるままに綴っているのか、内容はややアダルティーなものになっています(汗)。最終的には分かれるんだけど、「おまえをだきたい」と言われて抱かれた時は、本気だった。その一瞬の気持ちの大切さが、身にしみます。
Music
シンガーソングライター・高田みち子さんが書いた曲です。全体的に穏やかなメロディーですが、所々に含みのあるラインがあり、一部分にアピールポイントを詰め込んだような印象があります(高田さんのスタイル?)。松さんの表現の移り変わりも多く、少し上ずった歌い方をしているのも特徴的。バックもちょっと気取った感じに聴こえたり(特にサックス)、コーラスがちょっと怖かったりと(笑)、いろんな意味で楽しめまる歌ですね。
Word
恋人がいる相手への、抱いてはいけない感情を真正面から綴った詩。思いを断ち切ろうと思いつつ、諦めきれない。そんな自分がとても弱く、切ない。相手が最後まで気づかなければ、それでいいと思う・・・。伝えたいのに伝えることができないのが、とてももどかしく感じてしまいます。恋心をずっと隠して、自分の中に押し込めるのは、見ていて非常に辛いです(汗)。
夢のほとりで逢いましょう
作詞・作曲:Skoop On Somebody 編曲:佐橋佳幸
Music
メジャーR&Bバンド、Skoop On Somebodyからの楽曲。押し寄せてくるような、強い意志を感じさせるイントロが印象的。アメリカンジャズっ気たっぷりの前半と、ベースを効かせながら前向きで勇ましく進む後半、特にサビのバックが怒涛のように押し寄せる迫力は、インパクト大です。根が張ったようにしっかりとした土台から、情熱的に歌う松さんの力強い歌声には、身を入れて聴かせられますね。
Word
かつての恋人への、情熱的な想いを男性視点で描いています。「夢のほとり」は、自分の記憶の中の世界なのか、自分の願望の世界なのか。恋人を思い出している状況は、夢なのか思い出しているのか・・・などなど、アバウトな表現が特徴的です。「永遠の恋人」から分かるとおり、恋人はあまりに特別な存在で、唯一の心のよりどころだったのが伝わってきます。また、いなくなってからの不安も・・・。
Music
ノラオンナさんと同じく、風待レコード・紫理恵さんのカバー曲です。とても幻想的な雰囲気ですが、バラードポップスの色を残したアレンジになっています。どこか儚さを感じるメロディーから、曲の世界を美しく彩るといった、珍しいメロディーの流れ方が特徴的。その一方で、山本拓夫さんのサックスが切なさをかもし出していて、全体的な盛り上がりに繋がっています。
Word
好きな相手に対する自分の想いを、静的に表現しています。細かいしぐさや行動に着目した部分が、全体的に柔らかい表現となっているのは注目ポイント。印象的なのが「毎日が昨日になる」で、静動的な訴えかけのようなものを感じます。「もう一度確かめて」「忘れないように」といった、ワンクッションフレーズにも、大人びた独特の風味がきいてますよ。
Music
Sinこと橋本しんさんからの提供楽曲。元気なんだけどハジけない、明るそうなのにどこか暗い印象がある不思議な曲風。最後まで消化しきれない感覚のまま終わってしまうのが、異色めいている部分です。メロディーはあまり変わり映えしないものですが、アレンジとイコライザがユニークなので、そんなに飽きません。松さんが歌う曲には、あまりないタイプですね。
Word
何かを形成づけているものですが、意味は一般的には理解できない歌詞。できないというより、解釈のしようがなく、まるで解釈という行為そのものを否定している感すらあります(汗)。でもさまざまなジャンルの言葉を、巧みに使い分けるゆきちさんはすごいです。「~しましょ」と、おどけた表現が印象的です。全体に一貫性がないだけに、ある意味脅威な演出です(笑)。
White reply
作詞:Akeboshi 作曲:Akeboshi・津久場郷史
17thシングルカップリング曲。詳細レビューは「White reply」をご覧ください。
Welcome back
作詞:みのり 作曲:marhy 編曲:佐橋佳幸・デヴィット・キャンベル
Music
marhyさんからの提供曲。心の奥まで染み込むような、深いピアノの音とストリングスを響かせた、ノスタルジアな曲。しみじみとした雰囲気には、何かの終わりを告げられるような寂しさを感じます。そして松さんの透明な歌声とともに、風に乗って新たに旅立っていくような情景が目に浮かぶ・・・。特に、2サビ後の変調した長めの間奏は、その世界にリアルに引き込まれてしまいますよ。ラストの切ないピアノは感動もの! 思わず涙してしまいますね。
Word
過ぎ去った幸せと、もう叶うことのない夢の儚さを歌っています。壮大な時の流れをイメージさせられる「フィルム」と「風の道」は、重要なキーワード。懐起的な演出で描かれているのが、特徴的です。変わるものと変わらないもの、時の流れと記憶の表現が逸品です。ラストに向かうにつれて、切ないまでの高ぶった気持ちが込められていて、泣かせてくれますよ。
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